引用元:胸がスーッとする武勇伝を聞かせて下さい!(114)
書き込み失礼します。
長いのでいくつかに分けます。
私がしたのではなくて、見たものですが前に住んでいた団地で刃物を使った事件がありました。それを撃退した鳶たちと警備の女の子の話です。
フェイク有り。数年前の話です。
当時その団地では改修工事が行われていて、その事件の日は足場の解体をしていました。私はヒョロガリのおっさんなので、がたいのいい若い鳶のお兄ちゃんたちは少し怖いと思っていましたが、すれ違えば元気のよい挨拶をしてくれる人たちでした。
そんな彼らにいつもついて回る警備の女の子がいました。綺麗で若い女の子なのに警備員をしてるという珍しさもあり、近所で話題になったりもしていました。近所のおっさんたちは「今日、警備ちゃんとお話したんだよー。」なんてデレデレはなしていましたが、私は挨拶をするくらいしかできませんでした。
それでも勇気を出して一度「今日は暑いですね。」と話しかけたところ「そうですね。お体に気を付けてくださいね。」と返してくれて、その日は仕事を頑張ろうなんて思ったりしたこともありました。
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ある日のこと、外から悲鳴や怒号が聞こえてきました。何事かとベランダから声のするほうを見てみると、私の部屋のすぐ下でその女の子が警笛を鳴らしながら足場で使う長い鉄棒?みたいなものを構えていました。
そしてあの細い体からでているとは思えないほどの大きな声で、「刃物を持っています!逃げてください!子供を避難させてください!」と叫んでいました。幸いなことに彼女のまわりに住人は少なくすぐに避難していったようでしたが、彼女にあと数メートルのところまで迫っている犯人の手には、長い刺身包丁のようなものが握られていました。
私はただ呆然とその姿を見守ることしかできませんでした。
犯人はうるさいなどと喚きながら包丁を振り回していました。その様子に気づいた鳶のお兄ちゃんたちは、同じく長い鉄棒を構え、円になって取り囲んでいました。彼女は「頭はだめ、殺してしまう!腕や足にしてください!」と叫んでいました。
鳶たちも怒鳴り声をあげていて、ますます呆然とその様子を見ているしかなかったのですが、遠くからパトカーのサイレンが聞こえてきました。すると犯人は、たぶん唯一の女の子だったからでしょう。警備の女の子に向かっていったのです。あ!と思った一瞬、彼女は構えていた鉄棒で包丁をたたき落とし、足を何度か叩いた後、体制を崩した犯人を投げ飛ばしたのです。そこから一斉に鳶たちが犯人を袋叩きにし、ロープでぐるぐる巻きにしました。
すぐにたくさんの警察官がやってきて、無事犯人は逮捕されていきましたが、彼女はその場でへたり込み泣いているようでした。
後から警察官がやってきて事情聴取のようなものをされたり、当時は別の大きな事件があったのでニュースでは見かけなかったのですが、新聞で”現場の作業員たちの素晴らしい判断”みたいな記事を見ました。
その新聞では、犯人は私の住んでいた団地の住人ではなく近所のマンションの住人で、工事の音がうるさく犯行に及んだとのことでした。
その後、どこから伝わったのか鳶のお兄ちゃんたちは子供の間でヒーロー扱い。もともと気さくで子供の面倒見もよく、たまに手のあいている時間に子供の相手をしてあげてるところを見かけるような人たちです。ますます子供たちはお兄ちゃんたちが大好きになったらしく、工事が終わる頃には帰らないでと泣きつかれていました。奥様方には、逞しいわ~なんて言われていて、ちょっと羨ましかったです。
実は先日、会社の用事で近所の交番に行ったのですが、なんとその彼女に会ったのです。そして彼女も私のことを覚えていてくれて、当時のことを少し話しました。
彼女は学生バイトで警備をしていたらしく、投げ飛ばしたことについては柔道で全国大会の選抜選手だったそう。事件後、警察署でお決まりの警察官になってみないかと聞かれ、とっさに行動できずオロオロしてしまった自分が悔しく(そうは見えませんでしたが)いざという時に大切な人たちを守れるようになりたく、警察官になろうと決めたそうです。
しかし後にも先にも犯人と対峙したのはあれ以来で、事件がないのは嬉しいと笑って話していました。誰も怪我をすることなく逮捕されたのは、彼女たちのおかげだと思います。私は今でも冴えないおっさんですが、彼女たちのようにいざという時家族を守れる人になりたいものです。彼女と再会して思い出したので書き込みしました。
長文失礼しました。
ますますGJだ
それに引き替え、万引きだ、盗撮だ、痴漢だとやらかすアホの多い事よ(つД`;)
これは素晴らしい!