引用元:胸がスーッとする武勇伝を聞かせて下さい!(109)
知り合いの図書館職員から聞いた話
そこの図書館には障害者枠で耳の聞こえない職員(Aさん)がいる
彼が受け付ける時は利用客はカウンターに置かれた「借りる」「返す」など書かれたボードで、自分の用件のところを指したり、Aさんは読唇ができるので大きく口を動かしている
ある日、Aさんがカウンター業務中に公園の住人が女性客に絡んでいた
Aさんはそこへ行くと怯えて泣いている女性を庇い、住人にやめるように言った(耳は聞こえないが話すことはできる)
すると住人は「オレは弱者だ。いたわれ」と言ったらしい
それからいかに自分が社会的に弱い立場かがなったらしい
Aさんは普段あまり自分の障害を出さないが、この時は
「僕は障害者です。でもそんなこと悲しくも何ともない。立場が弱いなら強い立場になればいい。働けばいいでしょう。僕はこうして働いている」
そう言うと女性に「大丈夫ですよ」と微笑みカウンターに戻った
住人はなおもがなろうとしたが、他の職員さんが呼んだおまわりさんに連れて行かれた
周りから拍手が起こったが、Aさんは気付かないで端末に向かっていた
そこにおじさんがつかつか来てカウンター越しにAさんを抱きしめ頭をがしがし撫でたらしい
「でもね」と話してくれた職員さんは
「ほっぺたにキスまでしなくてもよかったと思うのよね」
とちょっと不満げだった
「私がしたかったのに・・」
とくやしそうだった
女性を庇ったAさんには、十分に読唇術が出来たんじゃあるまいか?