出会って20年で初めて愛しているって言った
俺と嫁とのなれ初めを聞いてほしい
高校から付き合っていた彼女がいたんだ
嫁は彼女の親友であり俺とも同級生だった
彼女とは高校、大学、社会人と順調に交際して結婚を約束していた
嫁も同じように地元の大学、会社で三人で遊ぶことも多かった
桜の下の弁当、花火大会、秋祭りの縁日、など三人一緒で写真を取った
一緒に暮らす準備で一人暮らしを始めたんだ、
彼女が週末来て二人で料理作ってお酒を飲んで将来の夢を語って本当に幸せだった
ある日彼女が交通事故で亡くなった、玉突き事故で真ん中に巻き込まれた
あまりに突然であまりに悲しすぎて仕事をする事で忘れようとしていた
仕事して仕事して、飯食って寝てまた仕事して
仕事以外で人と係ることが辛かった、嫁はそばいて慰めてくれたけどそれも煩わしかったんだ
月に一度の連絡が3ヶ月になり半年になった、そして嫁の事も忘れて行った
連絡が途絶えて1年、彼女が亡くなって5年目の夏
母が見合いを持ってきた、それが嫁だったんだ
俺の実家には俺の様子を確認する為に定期的に連絡を入れていて
いつしか母は嫁の事を気に入っていたんだ
いつまでも母を心配させるのも申し訳ないと言う思いと彼女を忘れる事も出来かもしれないとの思いで
嫁と結婚したんだ
娘と息子が出来て、安らげる家庭ができて嫁に感謝していた
2年前に貰い事故で3日ほど意識が戻らなかった
意識が戻る寸前、彼女の夢を見たんだ
「まだこっちに来るべきじゃない、戻りなさい
ちゃんと嫁さんにと愛しているって言わないとかわいそうだよ」
意識が戻って、その話を嫁にしたら泣きながら話してくれた
高校の時から俺の事が好きだった、彼女より先に好きだったのに言い出せないうちに
二人は付き合い始めて祝福しないといけないのに悲しかった
いよいよ二人が結婚の準備を始めた時に、彼女がいなくなればいいのにって思っていたこと
彼女が亡くなって悲しみに暮れる俺の姿を見て、なんて酷い事を願ったんだろうと後悔したこと
俺が彼女と同じように事故で意識を回復しない時に
結婚して子供ができたので充分幸せになったので
彼女が俺を迎いに来たんだと思ったんだ
俺が意識を取り戻す時に嫁は彼女の夢を見たらしい
「あなたが彼の奥さんでよかった 私ができなかった分彼を幸せにしてね、
彼がこっちに来るのはまだ早いから送り返しておくから」
目を覚ますと病院から俺が意識を取り戻した連絡があったらしいんだ
リハビリも終わって、3年ぶりに嫁と二人で彼女のお墓参りした
家に帰ってから嫁さんに言ったんだ
「嫁さん 今までありがとう 愛している」
嫁は胸にすがって号泣して
「結婚できただけでうれしかった、それだけで幸せだった
生まれて初めて貴方から愛しているって言われて只々うれしい」
嫁に初めて愛しているっていったよ
やっと本当の夫婦になれたと思う
眠れなくて、誰にも言えなくて書いてみたんだ
2度目の愛してるはまだ言えない
言葉が重すぎて言えないんだ
まあ、なんだ、
生きて、生かされて、不思議なもんだな。
愛してるは次の何か大事な時にに取っとけ。
君ら家族に幸あれ。
>>68
お幸せに。
としか、かける言葉がおもいつかない。
彼女さんのご冥福をお祈りします。
ここに書いてみんなの反応があったことに感謝している
いくつかのまとめブログに載せられて嫁の知るところになった
経験したことはほとんどフェイクなしで書き込みをしたんで
嫁が見ればばれると思っていた
まとめサイトでのコメントでネタとか言われているけど、
本当に体験したことを書いた
事故の事は忘れる事はない衝撃的な体験だ
当時はお互い今を生きるために必死だったし
事故の時の絶望と焦りは今もトラウマになっている
嫁に一言言われたんだ
「貴方の書き込み見たけど、感謝して貰っているのは感じている
今も十分幸せだけど、私と貴方の愛しているって感じは違うのかと迷う」
俺は感謝の気持ちと今の気持ちを込めて言った
「誰よりも今は、嫁さんを愛している
俺の為に娘と息子を命がけで生んでくれた、お前を愛してる
俺を人間として支えてくれた君を愛している
一人の女として君を愛している」
頷くだけだったけど言いたいことは伝わったと思っている
二度目の愛しているって言えたよ
俺だけでなく彼女も「本当の夫婦になれた」と言ってくれた
それだけで充分だ、他に何もいらない
泣いた
亡くなった高校時代の彼女の存在が
そういう冷めた反応になってるのかな。