引用元:胸がスーッとする武勇伝を聞かせて下さい!(72)
彼が仕事が終わったら夕食を食べに行こうというので、彼の会社の近くで待っていた。
するとどこからか湧いてきたDQNが私に「遊びに行かない」「ちょっとこっちきて」しつこく声をかけてくる。待ち合わせがあるからとか言っていると次第にキレてきてマジビビり。というかちょっと泣いてた。
とそこへ登山用のリュック?を背負った見た目はひょろいおじさんが現れて「なにしてるの?君たちナンパは華麗に美しくしないと」などとお前は漫画の住人かと思うぐらい臭いセリフをしゃべり始める。DQNはそれに唖然としながらも馬鹿にされているのかと思ったみたいで、怒声を上げ始めた。これはヤバい巻き込んだと思った次の瞬間
おじさんが奇声を上げながら懐から出したナイフをぐさりと自分の手に。
私もDQNも目を剥いた。ヒャハハハハハと笑うおじさんは不気味すぎ。さすがにこれは危険だと思ったDQN達は撤退した。私も異常者か?とかなりビビってたけど、一応助けてくれたっぽいし怪我してるしと思い逃げずに声をかけた。「だ、大丈夫ですか?」にやりと笑うおじさん。
ナイフを構えなおすと今度は掌にシャコシャコ。んんん?刃が柄に引っ込む手品用のナイフでした。おじさんの正体はマジシャン。プロではないけど偶に街角でマジックをしてるんだとと言って、彼が来るまでいろいろと手品を見せてくれました。
そして彼と合流して別れの時に「このおもちゃも銃刀法に違反するから内緒ね」と茶目っ気タップリ言いながら夕闇に消えていった。
素敵なマジシャンのおじさま。私を助けてくれて、彼が来るまで泣いていた私をマジックで楽しませてくれてありがとう。あれ以来会っていないけど、今もどこかで誰かのためにマジックで皆を笑顔にしているのでしょうね。
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天使っていうんだよ、そのマジシャンは。